店舗デザイン・内装工事のマッチングサービスSHELFY

ログイン

2017.06.13

異色の経歴をもつDESIGN STUDIO CROW 藤本氏に聞く、施主の心を掴む極意とは

DESIGN STUDIO CROW代表・藤本氏

現場作業員をされていた経験をお持ちだとお伺いしましたが、なぜデザイナーを目指そうと思ったのですか?きっかけや影響された人などはいますか?

高校は通信制の学校に行っていたのですが、建築現場で働きながら学生をしていました。その時に、現場で図面を見ていて、デザイン業界に興味をもったからです。はっきりと志を持ったのは、専門学校時代、講師の先生方に後押しを受けてからです。「君は東京に行くべきだ」と言ってもらえた時は嬉しかったですね。

入社の経緯や、その会社を選ばれたきっかけは何でしたか?

専門学校時代の先生方に一番東京で有名なデザイナー事務所はどこですか?と訪ねたら”スーパーポテト”と言われたので、ダメ元で履歴書を送ってみたところ、幸運なことに採用されました。入社してからの4年半は何もわからない状態で飛び込んだので、とにかく毎日必死でした。現場経験があるといっても、図面を読むのが早かったり、職人さんとのやり取りが多少できるといった点では役に立ちましたが、デザインに直結するものはあまりありませんでした。

次に入社したのはハーシュ・ベドナー・アソシエイツ(HBA)という外資系のデザイン事務所でした。元々、ホテルをデザインすることに執着があったので、ホテルデザインで一番実績のあるHBAに決めました。外資系なので、もちろん履歴書は英語であったり、英語を話さなければいけないのですが、自分自身は英語が話せないので、帰国子女の同期に通訳をお願いしたりしながら、仕事をこなしていました。仕事関係の話題の場合、専門用語が飛び交う場では語彙が少ないのもあって、なんとかコミュニケーションをとってました。現場の打ち合わせであれば、絵を描いて伝えることもできますし。日常英会話が一番困って、仕事終わりの会食は今でもツライですね(笑)

二社の経験を通して感じた、日本と海外のデザイン事務所の違いやそこから得たものなどはありますか?

DESIGN STUDIO CROW代表・藤本氏

やはりアトリエ系と言われるスーパーポテトと外資系のHBAでは、仕事の進め方など全てが異なりました。アメリカではデザイン事務所は一つの大きな企業として、完全分業制をとっているのが一般的です。プランニングする人、プレゼンをする人、家具を決める人、現場へ行く人…と一つのプロジェクトにチームとして取り組み、一人ひとりがその分野のプロフェッショナルとして働くことで、一つの大きなものが出来上がります。その一方で、最後まで現場が見れないことに、少し物足りなさを感じました。

そのため、HBA時代、私の担当は本来コンセプトを決めてデザインをする所までなのですが、家具の選択に口を出したり、無理やり現場に行かせてもらったりと、なんとか全体に関わろうと頑張っていました。しかし、唯一プレゼンに関してだけは、首を突っ込まないようにしていました。彼らはプレゼンにお金をかけるのはもちろん、作成する資料もすごくクオリティが高く、作品として飾りたいぐらい素晴らしいものが出来上がるからです。クライアントへのプレゼンテーションは日本人の不得意分野であり、HBAで多くを学ぶことができました。

独立されて2年が経つかと思います。独立のきっかけ、その過程で苦労したことなどはありますか?

独立のきっかけというものはこれといってありません。デザイナーになると決めた20歳のときから、絶対に30歳までに独立すると決めていました。もともと、組織に属するのが苦手というのもありました。決められた時間に出社したり、内容の薄い会議に出席したりというのがあまり好きではなかったからです。

会社員経験は独立するための修行として捉えていました。できるだけ多様な仕事のやり方を見れば、いいとこ取りが出来るのではと考え、多くの事務所を回ってきたというのもあります。例えばHBA時代にロスの一流のホテルやレストランに連れて行ってもらい、日本とは違うアメリカのデザインを肌で感じ、勉強できたのは、今でも役に立つ非常に良い経験をしたと思っています。

そのような経験を経て、晴れて独立をしたわけですが、その後も苦労の連続でした。特に値切りの交渉をされたり、経費を管理したり、お金に関わることは骨の折れる作業になることが多いですね。「こんなことも自分がやらなければいけないのか」と独立当初は大変苦痛に感じました。

クライアントとの信頼関係の築き方で、気をつけていることはありますか?

DESIGN STUDIO CROW代表・藤本氏

依頼内容と関係のあるお店に徹底的に足を運ぶようにしています。例えばピザ屋の案件がきた時は、最高で1日に4件ものピザ屋をはしごしたこともあります(笑)そうやって業界で有名なお店を回って知っておくことは、クライアントからの信頼にもつながりますし、デザイナーもそれを求められていると思うので実行しています。

また類似店はもちろん、素材もできるだけショールームに足を運んで自分の目で見るということを意識しています。現場経験の影響が大きいのもありますが、私は基本的にはアナログ人間ですね。

コンペや設計料など、業界で問題とされている点についてはどういう風に考えていますか?

当然クライアントが求めるものは結果ですが、自分たちはプロセスも重要だと考えています。もちろん素晴らしいデザインを提供する義務はあるのですが、そのためにはプロジェクトに愛着をもつことが必要です。単にクライアントの条件や求めることに忠実になるだけではだめなのです。要望に答えつつ、どうやったらもっとより良いものを作ることができるか、お互いの熱意をぶつけ合ってこそ、よりよい物をつくることができると思います。

しかしクライアントによっては、こちらがもっとこうすれば良い環境になるという提案をしたとしても「ただこちらの予算と条件を満たしてくれたらそれで十分」という答えが返ってくることがたまにあります。クライアントもデザイナーも同じ熱量を持って、一緒により良い店舗を作っていきたいですね。

藤本さんは、最近はコンペで獲得するプロジェクトが多いとお聞きしたのですが、なにか勝てるコツがあるのですか?

DESIGN STUDIO CROW代表・藤本氏

勝てるコツなんかがあれば逆に教えていただきたいのですが(笑)、あえて何か挙げるとがあるとすれば、私はいつも相手方にご提示頂いた条件にはプライオリティをつけて、全ては盛り込まないということです。条件にそって作っていっても「言った通りのモノがあがってきた」だけでは何も面白くないですし、感動は生まれないですよね。

とくに私が重要視しているのはヒアリングです。予算やスケジュールなどの条件以外に、相手が興味関心を持っているキーワードを可能な限り多く引き出します。例えば、「最近よく行くお店はあるのですか?」「何かウリにしたいメニューなどありますか?」とたわいもない会話をしながら、相手の潜在的なニーズを引き出します。あとはそれを箇条書きにして組み立てるだけです。ヒアリングが終わった時点で土台はもう定まっているので、帰ってから「さあ、どうしよう」となることはあまりありません。クライアントから出てくる言葉こそが生きた言葉で、それが最も大切だと思います。

現在、海外でもお仕事をされていますが、苦労していることはありますか?また、 その際に気をつけていることなどはありますか?

私は会社員時代も現在も中国の案件に関わることが多いのですが、海外で仕事をした人ことがある人なら誰もが衝撃を受けたことがあるかと思います。例えば、現場チェックをした時に、普段日本なら訂正部分が5箇所あるとすれば、中国では100箇所以上見つかります(笑)これが我慢できないデザイナーは海外で仕事するのは向いてないでしょうね。

海外案件におけるコミュニケーションは本当に大変で、日々が戦いです。しかし、中国だからこそ調達できる石や壁画などがあり、中国でしか実現できないのデザインがあります。その国の強みを活かしたデザインをするように気をつけていますね。

藤本さんの将来の展望をお聞きしたいと思います。

20年後の自分はどうなっていると思いますか?また、目標はありますか?

数十年後はどういう姿になりたいという具体的なビジョンはまだないのですが、近いうちに、ホテル、旅館一棟のデザインをしてみたいです。海外展開に関しては、色々な国の仕事をやりながら、将来海外へ事務所を置いたりするのも良いですね。

加えて、抽象的な話にはなってしまいますが、私たちのような若い世代が「これが新しいデザイン」と呼ばれるようなものを創っていくべきだと思っています。

周りを見渡すと似たようなデザイン、パターン化されたデザインが溢れているのには危機感を感じます。インテリアデザインという概念を海外から日本へ持ち込んだ、パイオニアたちのデザインをなぞったものが多いのが現状で、先輩たちのデザインは素晴らしく尊敬もしていますが、それを加工するだけではいけないと日々感じています。当然これは自分自身への課題でもあります。

設計施工会社をお探しですか?

あなたに最適な内装会社様がみつかります。
簡単・無料・ノーリスクでご利用いただけます。

最適な内装会社を探す
03-6478-9648 受付時間|平日10:00 - 19:00